今を生きる君とこれからも

ザァーーーーっと傘に雨が勢いよくあったっているのが分かった。それに、晴の肩が半分びしょびしょに濡れていることも。
「もうちょっと、こっち寄っていいよ?それじゃあ晴がめっちゃ濡れてる。」
「いいの?じゃあ。」
晴がこっちに寄って来た時、私の中の体温が上がったように思った。
「晴はさ、なんで私なんかに構うの?私となんか話してても何にもたのしくないでしょ?」
「そんなことない!」
「じゃあ、なんで?」
「お、俺、瑠夏が、俺のこと晴って呼んだ時、なんかドクンッってなって、たぶん、俺、
瑠夏のことが好きなんだと思う。だから、まだ話したいとか思ったり、二人きりになりたいとか思ったり、そんなことばっか考えてるんだと思う。」
晴が私のことが好き?確かに、顔はいいけれど、まだまだ分からないことが多すぎる。
「え、じゃあ、自己紹介の時に話しかけてきたのは?」
「あ、あれは、ただ単に、瑠夏が可愛いかったから、、、。」
晴が恥ずかしそうに言った。可愛かったからって、、、。でも、そうならば、放課後、教室に戻ってきたのは。
「放課後、教室に戻ってきたのは?」
「あれは、バックを忘れたのにきずいて戻ってきただけだけど。」
「でも、忘れていったよね。」
「あはは、そうだね。」
「誰もいないと思って入ろうとしたら、可愛い子が一人でバックと戦ってたから。びっくりしちゃった。そうかと思えば、後ろにひっくり返るし。」
えぇ!そこまで見てたの、、、。
「そっか、、、。」
「それで、俺の告白の返事は?」
「そんな、急に言われても、ごめん、返事はまた今度ね。」
「わかった。」

晴とわかれた後、雨がやんでいくのが分かった。ほんと、気まぐれな雨。

千穂ちゃん、私はいいのだろうか、私だけ彼氏を作るなんて駄目だよね。だって、
一緒じゃないと。

次の日、朝起きたらまた雨が降っていた。そして、駅に着いたらそこには晴がいた。
こういうことは、早めに言った方がいいよね。
「晴。ごめん、私はあなたとは付き合えない。たとえ、私が晴のことが好きだろうが、私の親友が許さない。だからごめん。」
「親友って亡くなった、千穂ちゃんだろ?二人で彼氏は絶対に作らないとか約束したのかよ。もう、昔のことだ、昔にいつまでもとらわれないで、今を見ろよ。今しかできないことだってあるんだぞ、将来のためにばっか頑張ってても、そこまで行けなかったら、もともこもねえじゃねえか。今をもっと大切にしろよ。」
「っ!晴にはわからないでしょうよ!私の気持なんか!ずっとずっと後悔して、もし私があの時あんなこと言わなければって、今でもずっと後悔してるの!」
「ああ、そうだ、俺には瑠夏の気持なんか一ミリもわからない、でも!」
「ごめん、しばらくは会いたくない。」
「会いたくないか、そこまで言われたら流石に駄目か。悪い、俺も言い過ぎた。じゃあな。」
「さようなら。」



晴とわかれたあと、ちょうど雨がやんだ。
そのあと、学校に着き、出席をとっていたとき、私は晴が学校に来ていないということに気が付いた。やっぱり、言い過ぎた。

「休みは朝日だけだな。じゃあ、席替えやるか。廊下側から言ってくぞ。」
「吉田、清水、黒井、広瀬、朝日。」
「長野、佐藤、横川、中川、空野。」
あ、よりによって、晴の隣。気まずい、、、。今度学校に来たらちゃんと謝ろう。
ガラッ!

「ひっ!」
急に教室のドアが開いた音がしてびっくりした。
「遅れてすいませんでした。ちょっと体調悪くて。」
「そうか、それで体調はもう大丈夫なのか?」
「はい。今は。」
「そうか、朝日の席は空野の隣だな。座れ。」
「はい。」
「は、晴!」
「どうしたの?空野さん。」
「っていうか、俺のこと晴って、やめてくださいよ。恥ずかしいです。」
「え?はる、あ、朝日。さっきはごめん。私、言い過ぎた。私の気持なんか誰にもわからないとか言って。ほんとにごめん。」
「大丈夫ですよ?っていうか、さっきから空野さんおかしいですよ。逆に大丈夫ですか?」
「え、あ、はい。」







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