今を生きる君とこれからも
「そういえば瑠夏、数学の課題分かる?俺、中学行ってないから勉強、まじでヤバいんだよ。」
「数学?いいよ。私、勉強は自信あるし。」
「まじで!よっしゃ!教えて!」
「はいはい。今度ね。」
「あのさ、晴。なんで中学、一年しか行ってないの?もしかして病気とか。」
「っ。だから何。俺が病気だから可哀そう?大変?それがなんなの?全部俺の体なんだから俺の好きなようにすればいいだろ。」
「そんなことない。言ったでしょ。千穂ちゃんはそれで。」
「大丈夫。安心して。瑠夏が悲しまないようにはするから。」
「悲しまないようにって、どういう事。」
「そのままの意味だよ。」
「大丈夫だから。」
やっぱり。晴が病気。私、また。
『晴にはわからないでしょうよ!』
あんな事言って。また私は人を傷つける。
「瑠夏!瑠夏!大丈夫?」
「え?あ、なに?」
「あ、いや、瑠夏の最寄り駅着いたよって、言おうとしたんだけど返事しないから。」
「わあ!ほんとだ!じゃあね!」
「うん!じゃあね!」
電車に残った晴は寂しそうに最後こちらを見ていた。
電車に乗っている時はきずかなかったけど、きずいたら雨がやんでいた。