王国を追放された伯爵令嬢は隣国で幸せに暮らします!!

崩壊

マリアンヌがリーベント王国から追放されて1週間が経った。すでにリーベント城は崩壊寸前である。なぜなら、マリアンヌが今まで多くの仕事を手伝っていたからである。その中には王太子が投げ出した仕事もあった。本来は王太子がサインしなければいけない書類も次期王妃になるということで、特例で代理サインが認められていた。だが、そんなマリアンヌが追放されてしまったのだ。当然、仕事はたまる一方だ。王太子にサインをしてほしいとお願いしたが、適当に何も読まずにサインするか、勝手にやれ!!と怒られるかのどちらかだ。

マリアンヌがそこまで仕事をしていたことは国王陛下も王妃様も知らないと思う。リチャードは長い間、子供が産まれなかった国王夫妻にとって初めての子だったので甘やかされて育った。王太子に余計なことを言うと、適当な理由を付けられ、クビにされる可能性が高い。皆それを恐れ、何も言わなかったのだ。

だが王宮内にはマリアンヌを慕っている者が多い。マリアンヌは仕事も速く、様々な相談に乗ってくれていた。結局、王太子によってマリアンヌは追放されてしまった。早く覚悟を決めて国王夫妻にお伝えするべきだったと皆、後悔していた。せめて、他国で幸せになってほしいと願っている。
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