王国を追放された伯爵令嬢は隣国で幸せに暮らします!!

報告

俺ウィリアムは侍従長レオナルドから調査結果について報告を受けているところだ。

王国は徐々に中枢部の機能が停止してきているようだ。どうやらマリアンヌが追放され仕事をする人が足りなくなったらしい。一体どれだけやらされてたんだ…。

それと一番の問題は、リリカが襲われたことが事実ではなかったということだ。たまたま女子生徒とぶつかり、転んでしまい、その女子生徒にマリアンヌの指示で殺そうとしたと証言させたらしい。証言すれば何も罪は問わないとかなんとか。そもそも事件ですらなかった。しかし、転びそうになっただけで罪とか…。王様にでもなったつもりか?何なんだ、一体、あの女は…。
あと、リーベルト王国の国王夫妻は急遽帰国したらしい。今回の件を聞いたのだろう。

「しかし、とんでもないことになりましたね。ウィリアム殿下」

「…普通に話せ、レオ」

「…了解、ウィル」

レオナルドとは幼馴染だ。こいつには何かと気楽に話せるし、よく相談にも乗ってもらっている。

「しかし、とんでもないことになったな。お前が王国から追放されて帰ってきたって聞いて、何やらかしたかのかと思ったぞ。まっ、結果オーライじゃねえの。これでマリアンヌ嬢と婚約することができるんだし」

「…結婚を申し込んだ」

「はあ!? えっ!? いつ!?」

「婚約破棄されてすぐ、パーティー会場で…」

「いやいや、何で婚約すっ飛ばしてんだよ!!」

「他の奴に奪われたくなかったからな」

長年の片思いしてたからな。実るかもってなったら即行動か…。うん……本当行動力あるよな。

「それで受け入れてもらえたのか?」

「ああ…」
そう言って黙り込む。

「どうかしたのかよ。嬉しいんじゃないのか?」

「ああ、当然だ‼︎…だが、どうすれば好きになってもらえるんだ?」

ああ、そういうことか。好きな人に自分のことを好きになってほしい、それは当然の感情だろう。それは分かるが、
「婚約破棄されたばかりであんま次のことなんて考えられないんじゃねえの」

「それは分かっているが…」

ウィルがずっとこの調子だといろいろ面倒だからな。まあ幼馴染には幸せになってほしいし、アドバイスしてやるか。
「とりあえず、たくさん話す機会を作ることだな。で、贈り物を渡したりな」

「なるほどな、ありがとう」

「とにかく、仕事してもらうぞ。溜まってるんだから。それに早く会いに行きたいんだろ」

「ああ、そうだな‼︎」
そう言うと一目散に仕事をし始めた。これは早く終わりそうだ。マリアンヌ嬢パワーすげえなと感心したレオナルドだった。
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