王国を追放された伯爵令嬢は隣国で幸せに暮らします!!

プレゼント

私マリアンヌは与えられた部屋でずっと過ごしている。侍女も付けてくれて、感謝しかない。そんな中、部屋をノックする音が聞こえた。
「はい」
そう言って扉を開けると声からしておそらくウィリアムであろう人物が立っていた。
その人物は大きな何かを抱えており顔が見えない。

「あの…もしかしてウィリアム様…ですか?」

「ああ、そうだ。渡したいものがあってな。これを俺からのプレゼントとして受け取ってくれ」
そう言ってその何かを渡してくる。

「これは…」

「ああ、花束だ。女性は花が好きだと聞いてな」
そう言ってウィリアムはもの凄く大きな花束を渡してくる。その花束は私の背丈以上ある。

「………」

驚きすぎて何も言えずにいると
「どうかしたか?はっ、もしかして小さすぎたか?もっと大きいのを持ってきたかったんだが、さすがに持てなくてな」
と言われた。

「いっいえ、充分です!!素敵な花束ですね‼︎ありがとうございます‼︎」

ウィリアムに机の上に置いてもらい、その後ウィリアムは部屋に戻っていった。

「失礼いたします」
部屋に入ってきた彼女はウィリアムが付けてくれた侍女のリサだ。

「リサ…」

「えっと……何ですこれは?」

ウィリアムが置いて行った花束を見て、目を真ん丸にしている。

「これは花束よ……」

「いやいや、これが花束ですか!?あっ本当だ!!結んである」
たくさんある花の茎が束ねられていることに気付いたようだ。

「これ、まさかとは思いますけど…ウィリアム皇太子殿下からですか?」

「ええ、そうよ」

「うわぁ…はっすみません。飾っておきますね!!」

「え、ええ!!お願いするわね」

「よっと、お、重すぎる。すみません。他の人を呼んできますね」
そう言うと行ってしまった。

「マリアンヌ様お待たせしました。呼んできましたよ」

「レオナルド様」

「マリアンヌ嬢、どうかされましたか…って!!それは何です!?」
ウィリアムからの花束を見て素っ頓狂な声をあげる。
「えっと…。ウィリアム様からのプレゼント…です」

「え!!これをですか!?」
あの人、何やってんの?マジで!!確かに贈り物したらいいってアドバイスはしたけど、ここまでしろとは言ってない‼︎というか普通こんな発想出てこねえよ‼︎

「あの、その花束重くて飾れなかったので手伝っていただけませんか」

「ええ、もちろんですよ」
ウィリアムには後で色々と話さないといけないなと思ったレオナルドだった。
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