王国を追放された伯爵令嬢は隣国で幸せに暮らします!!

マリアンヌside

正直、ウィリアムの行動には驚かされた。あんな凄い贈り物は貰ったことがなかった。リチャードの婚約者だった頃は私に取り入ろうとする人々から贈り物が届くことはあったが、心のこもった贈り物は一度も、リチャードからも貰ったことはなかった。

ウィリアムは他者を思いやれる優しい人物だと学園にいた頃からずっと思っていた。私が大切なものを無くして(おそらく生徒の誰かに捨てられたのだろう)困っていたとき、彼は最後まで一緒に探し続けてくれて、見つけることができた。

パーティーのときもそうだが、学園でも何度助けられたことか。その度に嬉しくなり、そして何度も胸が締め付けられた。私はリチャードの婚約者だったし、ウィリアムとのことは何も考えないようにしていた。しかし、頭の中では本当は分かっていたのだ。彼が…ウィリアムが好きだということ。今なら伝えてもいいのだろうがなかなか勇気が出なかった。でもウィリアムはきちんと気持ちを伝えてくれている。私もそれに応えなくては…そう思いウィリアムの元に行くことにした。
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