【完結】婚約破棄イベントが壊れた!
「服装はどうしましょうか?」
「あ、それは大丈夫。エリオット殿下が用意してくださるから……」
「まぁ。それはそれは……うふふ」
なにか含みがあるように微笑まれ、首を傾げる。
エリノーラは耳元でこうささやいた。
「男性が意中の相手に服を贈る意味は……」
「え、えええっ?」
「うふふ、お嬢さまも殿下もお年頃ですものねぇ」
わたくしよりほんの少し年上なのだから、エリノーラだって『お年頃』でしょうに!
彼女は楽しそうに、ものすっごく丁寧に手入れをされた……。お、お忍びだから、お忍びだから、服を用意してくださったのよ……!
お風呂から上がり、これまた丁寧に髪、顔、身体の手入れをされた。
身体が温かいうちに、ネグリジェに着替えて休むことに……
「おやすみなさい、お嬢さま」
「おやすみ、エリノーラ」
目を閉じると、エリノーラの言った内容が……。う、ううん。エリオット殿下はそんなことを考える方では……
でも、わたくし、ゲームの彼のことは知っているけれど、この世界のエリオット殿下のことは詳しく知らないのよね。
明日のデートで、きっといろいろな彼を知ることができるだろう。
ちゃんと、向かい合わないとね。
……緊張して中々眠れない、なんて……わたくしにそんな可愛い感情があったのかと、改めて驚いた。
カリスタとして生きた十八年。婚約破棄イベントをちゃんとしなくちゃって、そればかり考えて生きてきたから……
でも、もうそのイベントは終わってしまった。かなり意外な形で。……だからこそ、わたくしはちゃんと、自分の気持ちにも向かい合わないといけないのよね。
「あ、それは大丈夫。エリオット殿下が用意してくださるから……」
「まぁ。それはそれは……うふふ」
なにか含みがあるように微笑まれ、首を傾げる。
エリノーラは耳元でこうささやいた。
「男性が意中の相手に服を贈る意味は……」
「え、えええっ?」
「うふふ、お嬢さまも殿下もお年頃ですものねぇ」
わたくしよりほんの少し年上なのだから、エリノーラだって『お年頃』でしょうに!
彼女は楽しそうに、ものすっごく丁寧に手入れをされた……。お、お忍びだから、お忍びだから、服を用意してくださったのよ……!
お風呂から上がり、これまた丁寧に髪、顔、身体の手入れをされた。
身体が温かいうちに、ネグリジェに着替えて休むことに……
「おやすみなさい、お嬢さま」
「おやすみ、エリノーラ」
目を閉じると、エリノーラの言った内容が……。う、ううん。エリオット殿下はそんなことを考える方では……
でも、わたくし、ゲームの彼のことは知っているけれど、この世界のエリオット殿下のことは詳しく知らないのよね。
明日のデートで、きっといろいろな彼を知ることができるだろう。
ちゃんと、向かい合わないとね。
……緊張して中々眠れない、なんて……わたくしにそんな可愛い感情があったのかと、改めて驚いた。
カリスタとして生きた十八年。婚約破棄イベントをちゃんとしなくちゃって、そればかり考えて生きてきたから……
でも、もうそのイベントは終わってしまった。かなり意外な形で。……だからこそ、わたくしはちゃんと、自分の気持ちにも向かい合わないといけないのよね。