【完結】婚約破棄イベントが壊れた!
「あの噂は本当だったのかしら」
「殿下がカリスタさまをエスコートしていないなんて……」
どうやらひとりで会場入りしたことで、注目を集めているみたいね。
ひそひそと話す人たちへ視線を向けると、さっと扇子で顔を隠された。
まぁ、そういう反応になるわよね。さぁさぁ、今から婚約破棄をされるわたくしをご覧なさいっ!
……って思っていたら、後ろからトントンと肩を叩かれた。
「?」
振り返ると、走ってきたのか少し息の乱れたエリオット殿下が呼吸を整えてから、
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
と、心底不思議そうな表情で声をかけられた。……そんな不思議そうな顔をされても。
いや、待って。エスコートされるはずのヒロインはどこに?
「え、あの……ヒロイン……ではなく、マリーさまはご一緒ではないのですか?」
「ああ。なぜかエスコートをしてくれと頼まれたけど、わたしはきみの婚約者だから断ったんだ」
んんん?
おかしい、おかしい、絶対におかしい! この婚約破棄イベントは、こんな感じではなかったはずだ! 一応恋愛ルートもコンプリートしたから知っているよ! 原作を壊さないために動いていたはずなんだけど!?
「エリオット殿下……」
そんなわたくしたちのもとへ、このゲームのヒロインである男爵家の令嬢、マリーが近付いてきた。顔面蒼白とはこのことか、といえるくらいの白さだった。具合でも悪いのかな?
「ああ、マリー嬢。……卒業パーティー、楽しんで」
「わ、私の話を聞いてください……!」
「殿下がカリスタさまをエスコートしていないなんて……」
どうやらひとりで会場入りしたことで、注目を集めているみたいね。
ひそひそと話す人たちへ視線を向けると、さっと扇子で顔を隠された。
まぁ、そういう反応になるわよね。さぁさぁ、今から婚約破棄をされるわたくしをご覧なさいっ!
……って思っていたら、後ろからトントンと肩を叩かれた。
「?」
振り返ると、走ってきたのか少し息の乱れたエリオット殿下が呼吸を整えてから、
「カリスタ、どうして先に行ってしまったんだい?」
と、心底不思議そうな表情で声をかけられた。……そんな不思議そうな顔をされても。
いや、待って。エスコートされるはずのヒロインはどこに?
「え、あの……ヒロイン……ではなく、マリーさまはご一緒ではないのですか?」
「ああ。なぜかエスコートをしてくれと頼まれたけど、わたしはきみの婚約者だから断ったんだ」
んんん?
おかしい、おかしい、絶対におかしい! この婚約破棄イベントは、こんな感じではなかったはずだ! 一応恋愛ルートもコンプリートしたから知っているよ! 原作を壊さないために動いていたはずなんだけど!?
「エリオット殿下……」
そんなわたくしたちのもとへ、このゲームのヒロインである男爵家の令嬢、マリーが近付いてきた。顔面蒼白とはこのことか、といえるくらいの白さだった。具合でも悪いのかな?
「ああ、マリー嬢。……卒業パーティー、楽しんで」
「わ、私の話を聞いてください……!」