【完結】婚約破棄イベントが壊れた!
「それは……そうっ! 私を嫌っているから!」
「カリスタはマリー嬢が嫌いなのか?」
そこでわたくしに振らないでもらえませんか、殿下。
わたくしは、あ~ともう~ともいえない言葉を頭の中で繰り返し、ばっと扇子を広げて口元を隠した。
「好きも嫌いもありませんわ。マリーさま、わたくしがあなたに忠告して差し上げましたのに、まだ理解されていないようですわね」
ああ、口から悪役令嬢っぽい口調が出てくる! イメトレしておいたおかげね!
さて、これ……どっちがどっちをいじめているように見えるのかしら。
困った。真面目に困った。っていうか、なんかおかしくない? なんで悪役令嬢のわたくしがエリオット殿下に抱きしめられているの?
なんで殿下VSヒロインになっているの?
だめだ、なにも考えられない……!
「忠告?」
「そ、そうですわ! 私、カリスタさまから怖い顔で『あまり男性に近付かないほうがよろしいですわよ』と言われていたんです! おかしいですわよね? 男性とも仲良くしたほうが、学園生活は楽しいですもの!」
「……それはきみが、婚約者のいる男性にばかり近付いたから、カリスタがその婚約者たちの代表として忠告したんじゃないか。調べはついているよ」
調べられていた、だと……!?
会場の人たちは、わたくしたちにすっごく注目している。
……やめてぇ、こっち見ないでぇっ! こんなイベントじゃないんだよー!
「カリスタはマリー嬢が嫌いなのか?」
そこでわたくしに振らないでもらえませんか、殿下。
わたくしは、あ~ともう~ともいえない言葉を頭の中で繰り返し、ばっと扇子を広げて口元を隠した。
「好きも嫌いもありませんわ。マリーさま、わたくしがあなたに忠告して差し上げましたのに、まだ理解されていないようですわね」
ああ、口から悪役令嬢っぽい口調が出てくる! イメトレしておいたおかげね!
さて、これ……どっちがどっちをいじめているように見えるのかしら。
困った。真面目に困った。っていうか、なんかおかしくない? なんで悪役令嬢のわたくしがエリオット殿下に抱きしめられているの?
なんで殿下VSヒロインになっているの?
だめだ、なにも考えられない……!
「忠告?」
「そ、そうですわ! 私、カリスタさまから怖い顔で『あまり男性に近付かないほうがよろしいですわよ』と言われていたんです! おかしいですわよね? 男性とも仲良くしたほうが、学園生活は楽しいですもの!」
「……それはきみが、婚約者のいる男性にばかり近付いたから、カリスタがその婚約者たちの代表として忠告したんじゃないか。調べはついているよ」
調べられていた、だと……!?
会場の人たちは、わたくしたちにすっごく注目している。
……やめてぇ、こっち見ないでぇっ! こんなイベントじゃないんだよー!