借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜
シノギは多種多様で、金融業を始め、飲食業や風俗業、工場や農業。他所と提携して、マグロ漁船なんてのもある。クスリは絶対に手を出したりしないが。
そういう家だから、真っ当な人たちからは敬遠されてしまう。反対に、お近づきになっておこぼれをもらいたいと声をかけてくる連中もいる。俺は長男だからそうした機会がやたらと多く、お見合いもその一環だ。
俺としては全てお断りしたいところだが、父さん曰く、「何事も人との縁」らしい。それなら、あの子がこの家にやってきたのも何かの縁?
「俺はそんな賭けはしないし、お前に協力もしないからな」
凛斗はツンとした表情に変わる。そういう顔をしていると、本当に気位の高い黒猫のようだ。
「お兄様は女の子にはお優しいこって」