借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜
できあがった料理をテーブルに並べ、お茶の準備をしていると安田さんが階段から降りてくる。
「おはよう、和泉ちゃん」
「おはようございます、安田さん」
「今日もありがとうね」
安田さんは今日の朝食を見て、「今日もおいしそう!」と目を輝かせた。子どもみたいだけど、こうして純粋に喜んでくれるのはうれしくて、こそばゆい。
「俺は車回してくるから、ちょっと遅くなる」
「それなら温め直しましょうか?」
「大丈夫、本当にちょっとだから!」
安田さんはそう言うと、急ぎ足で玄関へと向かった。今日は房宗さん、お出かけか。何時ごろお帰りになるか聞いておかないと。
予定の変更を考えながら、お弁当の準備に取りかかる。
昨日のうちに下準備しておいた豚肉を使って、生姜焼きを作る。茹で野菜を盛り付ければ彩りも完璧。
こういうとき、仕事で忙しい両親の代わりに家事を覚えておいてよかったと思う。