借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜
私はスカートの裾を伸ばして、テーブルの上に両手を置く。安田さんは「すぐ戻る」とも「時間がかかる」とも言わなかった。さすがに一日中ここに押し込められたりはしない……と思う。
私は何度もドアを確認して、足音がしないか耳をすましてみた。
でもドアはちっとも開く気配はないし、足音が聞こえたかと思ってもすぐに遠ざかってしまう。マイナスに傾きがちだった思考は、さらに悪いほうへと傾いてテーブルに突っ伏したくなった。
お父さんもお母さんもどこに行っちゃったんだろう?
いくら働いても楽にならない生活。
それがとうとう限界になったのかも。
私が新聞配達でがんばっても、中学生の給料なんてたかが知れてる。
それでも、家族みんなで支え合いながら生きてきたと思っているのは私だけだった?
あれこれと悩んでいても答えは出ない。
ため息を吐いてしまうのと、慌てた足音が聞こえてくるのはほぼ同時だった。