借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜


 だから、ひどく申し訳ないような、身の置き所がないような気持ちが込み上げてくる。なんと言うかいたたまれない。



「凛斗にはしっかり言っておくから。父さんにも伝えておく」


「私がどうかしたか?」



 二人して手を離し、声がしたほうへと顔を向ける。


 支度を整えた房宗さんが、ダイニングの入り口に立っていた。にこやかにしているのがすっごく怖い。



「ああ、凛斗のやつがまた辛く当たって」


「またか……。鈴村さん、本当にすまないね」



 颯斗くんはすぐに持ち直して、しれっとした顔で凛斗くんの態度を説明する。初めて会ったときもそうだけど、何かあっても堂々としているからこっちも突っ込めなくなるんだよね。



 房宗さんも私たちが何をしていたのかには突っ込まず、凛斗くんの代わりに頭を下げようとする。それを慌てて押しとどめると、わざと明るい声を出した。



「大丈夫です! 全然気にしてませんから!」

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