借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜
「颯斗、いい加減に観念しろ──」
また男の子が飛び込んできた。最初にやってきた男の子そっくりの子。何なのさっきから。
その子も驚いた顔をして私を見つめた。並んでいると、似ていてもそれぞれ違うところがいくつもある。双子……なんだろうな、きっと。
私たちはしばらくの間、誰も動けなかった。けど颯斗と呼ばれた男の子のほうがハッとなって、もう一人を部屋へ引き込みドアを閉めた。
「おい、颯斗!」
「凛斗、静かにしてろって」
凛斗と呼んだ子の口をふさぎ、「すぐに諦めるから」と続けた。そして私のほうを向くと、唇に人差し指を当てる。黙ってろってこと?
何なの、本当に。私はドッと疲れが出るよyな気がした。
──これが、私と颯斗くんと凛斗くんの出会い。