借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜
「私から誘ったんです」
「鈴村さん、いいんだ」
「本当です」
私は房宗さんとしっかり目を合わせた。こっちが射抜かれてしまいそうな、矢を思わせる視線。私も視線をさまよわせることはすまいと密かに誓う。
「颯斗くんが好きでも、絶対に報われないから凛斗くんに頼んだんです」
「違う!」
凛斗くんの鋭い叫びに、私たち三人はいっせいに彼を見た。立ち上がって房宗さんを見据えている。
「俺が、無理矢理迫ったんだ。それでいいだろ」
どうして私のせいにしないんだろう。そうすれば、難なく私を追い出せるのに。
「よくない」
房宗さんが静かな声で切り捨てた。凛斗くんがグッと押し黙る。
「何が事実か明らかになるまで、全員ここに居てもらうからな」
房宗さんの有無を言わさない宣言に、私と安田さんはソファに座り直して仕切り直そうとした。
「だから、俺が本貸してやるからカラダ貸せって言ったんだよ」