借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜


 この料亭では宿泊もできるらしい。せっかくだから泊まろうと言う両親の勧めを受けて、私はお風呂を先にもらうことにした。


 個人用の、檜風呂に浸かる。浴槽に入ってのんびりするなんて初めてかもしれない。


 いつもは銭湯か、シャワーだったから。


 一人でゆっくりとお風呂に入った経験は、正直ないかもしれない。


 そんなことをずっと考えていると、ゆでダコになってしまいそうだ。


 そうなる前にお風呂から上がって、身支度を整える。着てきた服は無くなっていて、浴衣と下着だけがあった。


 お母さんが変えてくれた?


 でも人の下着を勝手にいじるような人だったかな?


 不思議に思ったけど、ずっと脱衣所で悩んでいるわけにもいかなくて、とにかく着替えて竹の間へと戻った。



「お父さん? お母さん?」



 声をかけても返事はない。嫌な予感がしてあちこち見て回っていると、一組の布団がある部屋に入った。
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