借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜
だけど枕が二つ、並べるように置いてあった。
「お母さん! お父さん!」
恐ろしい想像が浮かんで、ほとんど泣き叫びながら両親を呼んだ。
とにかく外に出よう。
私は迫ってくる何かに追い立てられ、足をもつれさせながら竹の間から出ようとした。
ガシャン!!
何か大きな物が割れる音。それに続く怒号や悲鳴。
襖に手をかけた状態で、私は固まってしまった。
……これって外に出てもいいのかな。
外に出られたとしても、あのアパートに帰って平気かな。
どうすればいいのかわからないし、とにかく騒ぎが収まるまで待とう。
私は襖から手を離すと、食事をしていた部屋まで戻った。
そこに窓があったはず。
部屋に入ると、記憶通りに窓があった。人が一人分は簡単出入りできそうな大きさだ。
私は窓を全開にすると、近くにあった押し入れに隠れて小さく息をした。