借金のカタに売られたら、溺愛メイドになりました〜双子に翻弄されています〜


 私が出ていくその日に知って、凛斗くんはすぐに情報を集めて両親を追った。私に手を出す前に、房宗さんのところまで連れていこうとしたのだ。


 しかし運悪く、私はお父さんに連れていかれてしまった。


 凛斗くんはバイクに乗って車を追いながら、安田さんに連絡した。房宗家から応援を呼ぶようにと。


 連絡を受けた安田さんは仰天して、すぐに房宗さんに報告した。房宗さんも凛斗くんの行動力に驚いていたけど、瞬く間に冷静になった。



「だったらきっとあの料亭を使うだろう……うちの若いのを集めろ」



 私が連れていかれたのは、敵対勢力が贔屓にしているお店だった。


 両親は借金の肩代わりをしてもらい代わりに、そこの偉い人に私を差し出すと約束していたのだ。


 房宗さんの部下に捕まえられた両親は、そう白状してそれぞれ別々の工場に送られることになった。

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