あ、猫。
お散歩は楽しいけれどやっぱりどこかで雨宿りしよう。

そう思い立ち、すぐそばにあるカフェに向かった。

スニャーニャップス。略してスニャバ。

ちょうど屋根の下に身体はすっぽりと収まったので雨はしのぐことが出来た。

ふー、と一息ついて、あくびを1つ。

ふぁ〜あ。

あっ。

いけないいけない。

女の子なのに大あくびしちゃった。

はしたないって思われちゃうよ。

気を付けなきゃ。

 ガラス張りの店内を外から、ザッと見てみる。

わぁ、満席だっ。

さすがスニャバ。

いつ来ても大人気だなぁ。

途切れることなくお客さんが入って。また入っていく。

お店の前には期間限定の新作フラペニャーノの立て看板が出ていた。

美味しそう。

いつか飲みたいな。

「…っ」

ふいに視線を動かした次の瞬間のこと。

1人の男の人が目に飛び込んできた。

フラペニャーノによだれが垂れちゃった訳では決してなく。

思わず息を呑んだ。

かっこいい…

ガラス越しについ見惚れてしまって、小さく息が漏れた。

彼は、カウンターに腰掛けていて。

フラペニャーノを時折口に運びながら、外を眺めていた。

未だシトシトと降る小雨をどこか上の空で眺めている様子。

何を考えているんだろう。

彼があまりに物憂いげで憂鬱そうな表情をしているものだから、ついそんなことが気になってしまった。
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