親愛なる魔王の君へ＃外伝～魔王になったので、世界平和を目指します！～

「いや～、クロードが困っているの見るの楽しくって……」

「おい！！」

「ふふ、そのモンスター……飼ったらどうかしら？」

「それは校則違反だ！」

「まぁまぁ、クロード。落ち着けって」

「落ち着いてられるか！」

レオン、ノア、父さんの順でボケる皆にツッコミを入れつつ俺は昔父さんから教わった体術を使ってモンスターの魔の手から逃れる。

「レオン！」

剣を構えながらレオンの名前を呼ぶと、レオンは「分かったよ」と杖を構えた。レオンが呪文を唱えると、モンスターは動きを止める。

「クロード、ノアちゃん！今のうちに！」

レオンの言葉に、俺は槍を構えるノアに目配せする。ノアと目が合って、ノアは頷いた。

俺はモンスターに向かって走り出すと、地面を強く蹴る。

俺がモンスターに向かって剣を振り下ろすのと、ノアが槍で攻撃をするタイミングが合い、俺とノアの攻撃が同時に入った。

次の瞬間、モンスターは空気に溶け込むように消えていく。

「クロード、お前……強くなりやがって……お父さん、嬉しいぞ」

モンスターを倒したのを確認して俺が剣を鞘にしまうと、父さんは俺の頭をくしゃくしゃと撫でながらそう言った。

「……父さん、止めてよ。恥ずかしいんだけど？」