親愛なる魔王の君へ#外伝~魔王になったので、世界平和を目指します!~
「……何だって!?」

『それを信じるか信じないかは、お前次第だがな』

「……ねぇ、猫さん。どうすれば、魔王を止められると思う?」

『知らん。自分で考えな……私から1つ助言をするとすれば……魔王を止めるのは、かなり難しいぞ。それこそ、お前自身が魔王になれるくらいの強さがなければな』

……魔王になれるくらいの、強さ…………あぁ、そうか。最初から、こうすればいいんだ……俺が、魔王になればいい。魔王になれば、魔王の動向を探れる。他の、計画も阻止できる。

「…………だったら、魔王になる」

俺の言葉に、ノアと猫さんは同時に驚いた。



俺らが冒険者育成学校を卒業して、数十年が経った。

あの後、俺は卒業してから宣言通りに魔王になった。

ノアには反対されたけど、本音でぶつかってみたら、ノアも納得してくれた。ノアを俺の側近にするという条件付きで。

魔王になった後、何とかして魔王の計画を阻止することが出来て、他の魔王に何故か気に入られてしまった。

そして、今は卒業してからおじいちゃんから譲り受けた、おじいちゃんの暮らしていた館で、門番のリルとモンスターたち、そして、卒業して数年経ってから結婚したノアと、俺の子どもであるクラルと一緒に過ごしている。

そして、最近の俺の一番の悩みは――
< 14 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop