親愛なる魔王の君へ＃外伝～魔王になったので、世界平和を目指します！～

「ねぇ、大丈夫？」

足を引きずるように歩くモンスターに、俺はしゃがむと声をかけた。

モンスターは、その声に反応するように立ち止まる。そして、ゆっくりと俺の方を見た。そして――

――パタッ

倒れた。

俺は、モンスターの体を揺さぶる。そして、「父さん！」と父さんの方を見た。

「クロード、落ち着け。家も近い。おじいちゃんに見てもらおう」

父さんはそう言うと、意識を失ったモンスターを抱える。そして、歩き始めた。



「もう、大丈夫。時期に目を覚ますはずさ」

おじいちゃんの家の一室にあるベッドの上に寝かされているモンスターを撫でながら、おじいちゃんは言う。

「本当？」

おじいちゃんの言葉を聞いて、俺は読んでいたモンスター図鑑から顔を上げた。

「あぁ。本当だとも」

おじいちゃんはそう言って、優しく微笑む。それに、俺は安心した。

「……お、目を覚ましたよ」

父さんの言葉に、俺はモンスター図鑑を閉じると急いでモンスターに近づく。

モンスターは、ゆっくりと起き上がった。そして、しばらく動かなくなる。

「……どうしたんだろ？」

俺が首を傾げると、モンスターは突然煙に包まれた。

それを見て、おじいちゃんは俺を守るように片手を出して、父さんは剣を構える。