親愛なる魔王の君へ#外伝~魔王になったので、世界平和を目指します!~
入学式が終わって、俺らは教室に移動する。数年前に建て替えられたというのもあってか、中は綺麗だ。
そして、レオンとは席が近い。レオンは、俺の斜め前にいる。
「ねぇ、お隣さん」
不意に隣から話しかけられて、俺は声がした方を見た。そこには、肩辺りまで伸びた金髪に赤い瞳の女性がいて、女性は優しい笑みで俺を見ている。
その女性を見た瞬間、鼓動が早くなった……ような気がした。
「……あ、えっと……」
「私、隣の席のノア・テイラーって言うの。よろしくね」
「……クロード・ディスペア、です……よろしく……」
「クロードね。私のことは、ノアって呼んでちょうだい」
……ノア、ノアか……。
心の中で、彼女の名前を繰り返して呟く。
「良かったら、私と友だちになってくれないかしら?」
ノアの問いかけに、俺はすぐ「うん。いいよ」と答えた。ノアは、嬉しそうに笑う。
さっきとはまた違った笑みに、ドキドキと胸が高鳴った。