親愛なる魔王の君へ#外伝~魔王になったので、世界平和を目指します!~



入学式が終わって、俺らは教室に移動する。数年前に建て替えられたというのもあってか、中は綺麗だ。

そして、レオンとは席が近い。レオンは、俺の斜め前にいる。

「ねぇ、お隣さん」

不意に隣から話しかけられて、俺は声がした方を見た。そこには、肩辺りまで伸びた金髪に赤い瞳の女性がいて、女性は優しい笑みで俺を見ている。

その女性を見た瞬間、鼓動が早くなった……ような気がした。

「……あ、えっと……」

「私、隣の席のノア・テイラーって言うの。よろしくね」

「……クロード・ディスペア、です……よろしく……」

「クロードね。私のことは、ノアって呼んでちょうだい」

……ノア、ノアか……。

心の中で、彼女の名前を繰り返して呟く。

「良かったら、私と友だちになってくれないかしら?」

ノアの問いかけに、俺はすぐ「うん。いいよ」と答えた。ノアは、嬉しそうに笑う。

さっきとはまた違った笑みに、ドキドキと胸が高鳴った。
< 8 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop