親愛なる魔王の君へ#外伝~魔王になったので、世界平和を目指します!~
俺が冒険者育成学校に入学して、1年が経った。
俺は剣の稽古をしながらモンスターの勉強を、レオンは魔法薬の勉強を、ノアは槍術士の勉強をそれぞれ頑張っている。
入学してから、ノアは俺とレオンと一緒にいる時の方が多い。ノア曰く、俺らといる方が落ち着くんだとか。
それから、俺はノアに恋をしている。一目惚れとかいうやつだ。
よく思うんだ。ノアと恋人になれたら、家族になれたら、どれだけ幸せだろうかって。
「ねぇ、クロード」
寮の部屋でレオンと一緒に勉強をしていると、不意にレオンが話しかけてきた。
「……ん?」
俺が顔を上げると、レオンは「少し休憩しない?」と机の上にペンを置く。
「クロードって、ノアちゃんのこと……好き?」
レオンは、いたずらっ子のような笑みを浮かべながら、そう聞いてきた。俺の心臓が、飛び跳ねる。
「あ、えっ……」
脳裏に浮かぶのはノアの笑顔。
そんな俺の反応を見てか、レオンは「やっぱり?」と俺を見つめた。
「告白、しないの?」
「……告、白?お、俺が?」
明らかに動揺しているのが、自分でも分かる。
「クロード以外に誰がいるの。早くしないと、ノアちゃん……他の人のものになっちゃうよ?いいの?」