どこの誰よりも、先生を愛してる。

行き場のない想い side 柚木

(side 柚木)



 みんな、花火に見惚れている。
 そう、思っていたのだろうか。


 3年の女子生徒に腕を組まれたまま、僕は辺りを見回して平澤さんを探した。


 すると、偶然見えてしまったんだ。


 河原先生が、平澤さんを抱きしめるところを。



「………」



 ……残念、河原先生。


 隠しているつもりだろうけれど。


 それが通用するのは、花火を見ているという前提条件があってこそ。


 僕のような人には……見つかるよ。




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