どこの誰よりも、先生を愛してる。
1年生と3年生がやってきて、生徒3人と河原先生による得点係の話し合いが始まった。
とは言っても、本当に話すことが無い。話し合いはあっという間に終わってしまう。
各競技の採点方法を確認して、前日準備で得点板を設置して、あとは当日。
当日が忙しくて大変という話は、間違っていなかったようだ。
話し合いが終わり、1年生と3年生が教室から去った後。また、私は河原先生と2人になった。
「………」
静かに流れる空気。
話したいことは沢山あるのに、やっぱり言葉が出てこない。
先生も何か言いたげに口を開く。しかし、そちらも言葉が出てこない。
このまま無言で教室に残っていてもどうしようもないし、私は部活に行くことにした。無言で荷物を持って席から立つと、私の様子を無言で見つめていた先生がやっと声を上げる。
「行くのか」
「……はい」
「そうか」
何だか、あの日から河原先生との距離感が微妙。
せっかく得点係になったのに、何だか気まずくて上手く会話ができなくなっていた。
先生も私と距離を取っているような感じがするし。
「……さようなら」
「はい、さようなら」
とはいえ、こんなの自業自得だ。
気まずくなるって愛理や圭司、柚木先生にもそれとなく言われていたこと。
分かり切っていたことだったのに。全ては何も考えずに告白をした私が悪い。
だから、自業自得。
そう思いながら、河原先生を1人残して教室を後にした。