どこの誰よりも、先生を愛してる。


「1位、白! 2位、白! 3位、赤! 4位、赤!」
「はいっ」


 忙しい。得点係は私が思っていた以上に忙しかった。

 ふと思ったけれど、係の人数が少ない気がする。応援係のように各学年から2人は必要だと思う……なんて、今更どうにもならないことを頭の片隅で考える。


「平澤、前の競技の点数を反映させるぞ」
「はい。赤にプラス12、白に18です」
「よし……大川、得点板を赤は84点。白は76点に変更」
「はい、先生」



 忙しすぎて、先生のことを意識している場合じゃない。


 だから、逆に良かった。
 暇な時間が多いと、どうしても目で追って気になってしまうから、忙しすぎるくらいが今の私には丁度良い。



 河原先生も、至って普通。


 ただの先生と生徒。




「……」



 しかし、せっかく河原先生が担当の係になったのに、全く進展しなかった。



 私の前までの勢いはどこに行ったんだろう?


 自分のことなのに。
 そう思うと何だか笑えてきて、どうしようもない。





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