どこの誰よりも、先生を愛してる。

幼馴染



《菜都、今週の日曜日空いてるか? 俺と遠出しない?》


 夜寝る前、何の前触れも無く送られてきた、圭司からのメッセージ。


 圭司から休みの日に出掛けるお誘いがくるのは久しぶりだった。陸上部は土日どちらも練習があるから、なかなか出掛けることが出来なかったのだ。

 しかし、大会が近いはず。部活は大丈夫なのか、それが少し気になった。



 けれどこれは向こうからのお誘い。大切な幼馴染だし、断る理由は無い。



《良いよ。空いてる》



 そう一言、返事をした。



 圭司が私を好きだと知っている。
 でもやっぱり、それ以上に大切な幼馴染だから……。



「……断れないよね」



 音を立て、あからさまに崩れていく幼馴染3人の関係。せめて私だけは悪化させずに、維持をしていきたい。


 物心が付いた頃からずっと一緒にいた私たちは、これからも永遠に一緒だと思っていたのに。上手くはいかない現状に、頭が少しだけ痛んだ。



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