どこの誰よりも、先生を愛してる。

気まずさ



 河原先生。

 柚木先生。

 圭司。

 愛理。



 何だか、みんな気まずい。気まず過ぎて、毎日が少しだけ苦痛だ。







 1学期が終わり、夏休みがやってきた。

 ボランティア部は午前中のみ活動を行う。夏休みとはいえ、学校に通う毎日だ。




  ガラッ



「おはようございます」
「あ、平澤さん。おはようございます」


 活動開始10分前。
 ボランティア部の部室を開けると、中には既に柚木先生が居た。



 柚木先生が泣きながら私に想いを伝えて来たあの日から、妙な気まずさがずっと残っている。



 今まで普通に会話をしていたはずなのに。何だかお互いが遠慮してしまって、上手く会話が弾まない。


 途切れ途切れなその言葉たち。

 少しだけ引きつった笑顔。

 私に物を渡す時の震えた手。




 そんな柚木先生の様子にまた、胸が酷く痛んだ。




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