どこの誰よりも、先生を愛してる。

薄い関係 side 河原

(side 河原)



 朝、出勤して早々溝本先生に呼び出された。


 少し呼吸の荒い彼女。
 昨日行ったホテルでの快感が忘れられず、身体が落ち着かないと言う。


「……今日も、行きませんか?」
「昨日も行っただろ……」
「私、河原先生になら毎日でも、抱かれたい」
「………」



 こうなると、面倒くさい。



 最初こそ、お互いの利害が一致しているからという理由で始まった関係。そこに違う感情まで持って来られると、俺が耐えられない。



「まだ朝だ……。盛るな」
「無理です。昨日のこと思い出すだけで、身体が言うことを聞きません……」
「馬鹿だな……」



 そう言って突き放し、宿直室から出ようとした。

 しかし、そんな俺の腕を引っ張って動きを止める。



「……」



 勢いよく近付いてくる溝本先生の唇。

 潤んだ瞳で見つめられ、思わず嫌悪感がした。



「……」



 激しく重ねられる唇。
 侵入してくる舌。


 その瞳から滲み出る別の感情。
 それにまた、溜息が出そうになる。



 俺は身体だけの関係で良いのに。



 それ以外は、不要だ……。




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