どこの誰よりも、先生を愛してる。
昼休み。
今までは愛理と圭司の3人で過ごし、色々あった後は愛理と2人で過ごしていた。
けれど今は……。
「愛理! 今日も一緒に食べよ!」
「うん、ありがとう!!」
陸上部の愛理は、他の運動部の子とも仲が良い。その点、私は幼馴染以外に仲の良い子っていない。
1人になったら、1人のままだ。
「………」
困った私は、ボランティア部の部室に行くことにした。
部室の鍵を取りに職員室へ向かっていると、タイミング良く廊下で柚木先生と出会った。柚木先生は嬉しそうに手を挙げて、私に声を掛けてくれる。
「平澤さん!」
「あ……柚木先生」
「今日は登校して来たのですね!」
「はい。あの、この間はすみませんでした。ご迷惑をお掛けしました」
私を家まで送ったばかりに巻き込まれた柚木先生。深く頭を下げると、慌てて両手を振った。
「頭を上げて下さい。迷惑だなんて思っていませんから」
「………」
頭を下げたまま黙り込んでいると、軽く頭を撫でられた。
「ところで、お弁当を持ってどこに行くつもりだったのですか?」
「あ、えっと……部室の鍵、借りたくて。その、教室に居づらいので……」
「……あぁ、渡津さん」
「はい……」
分かりました、と柚木先生は言って、職員室に鍵を取りに向かう。
暫く待っていると、先生もお弁当を持って戻ってきた。
「僕も一緒に良いですか?」
「……あ。え、はい……」
予想外の事態……。
先生は私の肩に軽く触れ、一緒にボランティア部の部室に向かった。