どこの誰よりも、先生を愛してる。
「……菜都、大丈夫?」
「……うん」
家から少し離れた場所にある広場に来た。そこにあるベンチに座り、2人悩む。
愛理、怖かった。あれは、私の知っている愛理ではない……。
「ごめんな、俺が手を繋いだばかりに。まさか愛理がいたとは思わなくて……」
「いや、良いの。大丈夫。愛理の言っていることも、そんなに間違っていないし」
「間違っていない……?」
「もう良いの。……幼馴染にあんな酷いこと言われるとは思わなかったけれど。もう、良い」
「菜都……」
もう、耐えられない。
形あるもの、いつかは壊れる。
友情だって例外ではない。そんなことはほんの少しだけ分かっていた。
ここまであからさまに壊れるとは思っていなかったけれど。もう、良い。私は、大丈夫。
「圭司、疲れたからもう帰るね。ランニング頑張れ」
「……え、待って菜都」
「ごめんっ」
呼び止められたが、謝罪の言葉で遮る。
その後、再び呼び止める声が聞こえてきたが、それは聞こえなかったフリをして、私は家まで走って帰った……。