どこの誰よりも、先生を愛してる。
会場の装飾
先日、陸上の県体があったらしい。
愛理が出場し、いつも通り入賞をした。
月に1回行われる全校集会の最初で賞状披露式が行われ、そこで愛理は表彰状を披露した。
ステージ上にいる、全く嬉しそうな表情をしていない愛理。いつも一緒だった、圭司がいないからだろうか……。
同じくこの大会に出場予定だった圭司は棄権した。
陸上部を退部しても出場することはできたのだが、『これが俺なりのけじめ』などと、訳の分からないことを言っていた。
……私もまた、陸上がしたい。陸上で、入賞したい。
なんて、全然嬉しそうではない愛理を眺めながら、ふと思う。
だけど、どれだけ願っても。
私の願いはもう、二度と叶わない。
今度は、体育館の横に立っている先生たちに目を向けた。
先生たちもステージ上の愛理に目を向ける中、河原先生と柚木先生は各々ステージ以外の場所に視線を向けていた。