どこの誰よりも、先生を愛してる。
後夜祭
生徒が100人 “も” いないのに。
それとも、100人 “しか” いないからなのか。
うちの学校では、後夜祭でキャンプファイヤーを行う。
準備に追われる生徒会と文化祭実行委員会は大変だが、参加するだけの一般生徒からは大変好評で、メインの文化祭よりもこっちが楽しみだという生徒も多い。
3学年が入り混じって行われるフォークダンス。
これを機に、出来上がるカップルも多数……らしい。あくまでも私は噂しか聞いたことが無いけれど。
「………」
夕暮れの中、メラメラと燃えている炎。
それを取り囲む、楽しそうな生徒たち。
生徒会も文化祭実行委員会も、最後はその輪に入って楽しんで良いと言われている。
しかし私はその輪に入らず、先生たちと同じように少し離れた場所からその光景を見つめていた。
「……平澤」
「……河原先生?」
そっと近寄って来た河原先生に手招きされ、他の先生たちが立っている場所よりも更に後ろに移動した。
「……」
微妙に触れ合う、私と先生の腕。
それにドキドキしながら再び生徒の輪に目を向けると、派手な3年生女子に腕を引っ張られる柚木先生の姿が見えた。
そういえば忘れていたけれど、柚木先生は女子生徒に人気だ。
少し嫌そうな表情をしている柚木先生は、無理やりフォークダンスを踊らされていた。