幼馴染との婚約を解消したら、憧れの作家先生の息子に溺愛されました。
数十分後、私は安浦家に来ていた。
大きなお屋敷……。さすが大御所作家。
モコモコのスリッパを履いて、私は安浦さんに案内されるがままついて行く。
到着した場所は、安浦家の洗濯室。
「すみません、いつも家政婦さんにお願いしっぱなしで……。洗濯室はここなのですが、洗剤は……あ、あったあった」
安浦さんは、そう言いながら棚から洗濯用洗剤と、柔軟剤を出してくる。
それから、洗濯ネットや洗濯バサミ、ハンガーの場所も教えてくれた。
とてもスッキリと整理整頓されている。
きっと、家政婦の杉田さんという方がきちんとしているのだろう。
「僕が週末にまとめてできればいいんですけど、何せ偏屈者の父ですから……。申し訳ありませんが、毎日お願いします」
「はい。じゃあ、安浦さんのも一緒にやりますよ」
「えっ? いや、さすがに僕のは……」
安浦さんは、驚いて手を振った。
ちょっと差し出がましかっただろうか?
「でも、一人分なんて水道代も電気代ももったいないです! 遠慮しないでください」
「……わかりました。じゃあ、お言葉に甘えます。それと……僕のことは、桐人と呼んでください。父と同じ苗字呼びではややこしいでしょう?」
「はい。じゃあ、桐人さんで」
裕貴以外の男性を名前で呼ぶなんて、初めてだった。
大きなお屋敷……。さすが大御所作家。
モコモコのスリッパを履いて、私は安浦さんに案内されるがままついて行く。
到着した場所は、安浦家の洗濯室。
「すみません、いつも家政婦さんにお願いしっぱなしで……。洗濯室はここなのですが、洗剤は……あ、あったあった」
安浦さんは、そう言いながら棚から洗濯用洗剤と、柔軟剤を出してくる。
それから、洗濯ネットや洗濯バサミ、ハンガーの場所も教えてくれた。
とてもスッキリと整理整頓されている。
きっと、家政婦の杉田さんという方がきちんとしているのだろう。
「僕が週末にまとめてできればいいんですけど、何せ偏屈者の父ですから……。申し訳ありませんが、毎日お願いします」
「はい。じゃあ、安浦さんのも一緒にやりますよ」
「えっ? いや、さすがに僕のは……」
安浦さんは、驚いて手を振った。
ちょっと差し出がましかっただろうか?
「でも、一人分なんて水道代も電気代ももったいないです! 遠慮しないでください」
「……わかりました。じゃあ、お言葉に甘えます。それと……僕のことは、桐人と呼んでください。父と同じ苗字呼びではややこしいでしょう?」
「はい。じゃあ、桐人さんで」
裕貴以外の男性を名前で呼ぶなんて、初めてだった。