幼馴染との婚約を解消したら、憧れの作家先生の息子に溺愛されました。
最寄り駅から徒歩十分の場所にあるビル、そこが穂鷹出版だ。
出入り口の自動ドアを通ると、明るく広いエントランス。
そこには、出版した書籍が並んでいる。
ロングセラーの書籍や新刊などもあって、ちょっとした図書館並みだ。
そこから奥へ行くとエレベーターがあり、編集部、営業部、管理部でフロアが分かれていて、さらに編集部の中でも、文芸部門やファッション誌部門などで細かく分けられる。
社長室は、営業部を抜けた先にあるのだが、今朝はなんだかざわついていた。
電話が引っ切りなしに鳴り、営業部の人たちが対応している。
「……はい、はい、その件につきましては……」
「今はまだ、なんとも……」
そんな会話の一部が聞こえてきた。
何かあったのだろうか?
「しのぶ、大変なことになった」
「裕……社長、どうしたんですか?」
奥の社長室から、裕貴が血相を変えて出てきた。
当然、会社では社長と秘書。裕貴に対して敬語を使わなきゃいけないし、婚約者であることは、穂鷹会長にしか言っていない。
「安浦先生が入院された」
「……えっ!?」
出入り口の自動ドアを通ると、明るく広いエントランス。
そこには、出版した書籍が並んでいる。
ロングセラーの書籍や新刊などもあって、ちょっとした図書館並みだ。
そこから奥へ行くとエレベーターがあり、編集部、営業部、管理部でフロアが分かれていて、さらに編集部の中でも、文芸部門やファッション誌部門などで細かく分けられる。
社長室は、営業部を抜けた先にあるのだが、今朝はなんだかざわついていた。
電話が引っ切りなしに鳴り、営業部の人たちが対応している。
「……はい、はい、その件につきましては……」
「今はまだ、なんとも……」
そんな会話の一部が聞こえてきた。
何かあったのだろうか?
「しのぶ、大変なことになった」
「裕……社長、どうしたんですか?」
奥の社長室から、裕貴が血相を変えて出てきた。
当然、会社では社長と秘書。裕貴に対して敬語を使わなきゃいけないし、婚約者であることは、穂鷹会長にしか言っていない。
「安浦先生が入院された」
「……えっ!?」