幼馴染との婚約を解消したら、憧れの作家先生の息子に溺愛されました。
どうやら、この男性は安浦先生のご子息のようだ。
年齢は三十代くらいだろうか。
あまり、じろじろ見るのも失礼よね。今は、安浦先生のお見舞いに集中しないと。
「失礼します。私、秘書の真宮しのぶと申します。穂鷹の代理で参りました」
「ああ、穂鷹君の……。わざわざすまないね」
安浦先生は、ベッドのリクライニングを起こして座っていた。
思ったより元気そうでホッとする。
花籠を、他のお見舞い品の隣に置かせてもらい、息子さんが差し出してくれた椅子に座った。
「先生……。お加減はいかがですか?」
「大丈夫、大丈夫。医者は大袈裟なんだ。早く帰って原稿を書きたいよ」
安浦先生は気難しい方だと聞いていたけれど、ここが病院だからだろうか、そんな風には微塵も感じられない。
顔は少々強面かもしれないが、表情も口調も穏やかだ。
「父さん。過労で倒れたんだから、しばらくは安静にって言われているだろう?」
「まったく、医者も息子も頑固で困る」
「どっちがだよ」
父子で言い合っている姿が、とても微笑ましい。
息子さんは、安浦先生にとてもよく似ていて、並んでいるとちょっと幼く見える。
年齢は三十代くらいだろうか。
あまり、じろじろ見るのも失礼よね。今は、安浦先生のお見舞いに集中しないと。
「失礼します。私、秘書の真宮しのぶと申します。穂鷹の代理で参りました」
「ああ、穂鷹君の……。わざわざすまないね」
安浦先生は、ベッドのリクライニングを起こして座っていた。
思ったより元気そうでホッとする。
花籠を、他のお見舞い品の隣に置かせてもらい、息子さんが差し出してくれた椅子に座った。
「先生……。お加減はいかがですか?」
「大丈夫、大丈夫。医者は大袈裟なんだ。早く帰って原稿を書きたいよ」
安浦先生は気難しい方だと聞いていたけれど、ここが病院だからだろうか、そんな風には微塵も感じられない。
顔は少々強面かもしれないが、表情も口調も穏やかだ。
「父さん。過労で倒れたんだから、しばらくは安静にって言われているだろう?」
「まったく、医者も息子も頑固で困る」
「どっちがだよ」
父子で言い合っている姿が、とても微笑ましい。
息子さんは、安浦先生にとてもよく似ていて、並んでいるとちょっと幼く見える。