私にだけ、溺愛してきた
○学校(授業中)

静花 (今年は2年A組か…。そういえば隴さんも同じクラスだったんだ…。年上かと思った…。)

担任 「次、高橋隴」

隴  「我を呼んだか?この下界人。」

 ザワザワしてた教室が一瞬にして静まる。

静花 (うわぁ、ここ、一応名門学校なんだけど…)

隴  「我は高橋隴だ。我に近づくでない、粉々になるからな!」

 高らかに笑う隴さん。比例して冷たくなるみんなからの視線。

静花 (…やばい人と話しちゃったな。)

 どんどんと自己紹介が進んでいく。

静花 (みんなしっかりしてそうだな…。このクラスの危険因子は隴さんかな…。)

担任 「次、星城静花さん。」

静花 (もう私の番?)
   「はい、私の名前は星城静花です。生徒会長を務めさせていただいています。趣味は読書です。」

 ほぅ…とその場が和んだ。少しずつ、クラスがざわめきを取り戻していく。

担任 「これで今日は終わりだ。帰りのHRは時間の都合上、割愛する。それじゃあ各自帰るように。」

 クラスでみんながまとまって帰りだす。

静花 (もうクラスの仲良しグループできちゃったんだ…。今年も1人かな…。)

?  「星城さん!こんにちは〜!」

静花 「うわぁ!びっくりした〜…。どうしたの?」
   (急に声かけられるの凄くびっくりしちゃうんだよね…)

悠人 「いやぁ?僕も生徒会入りたくてさ、会長さんの名前は先に知っておこうと思ってね!これからよろしくね〜!」

 右手を差し伸べられ、握手を求めてくる悠人君。

隴  「静花!何をしてるんだ、帰るぞ!! …って誰だそいつ。」

静花 「そいつって言わないでくださいよ、クラスメイトなんですから。…それに、あなたと一緒に帰る気はありません!」

 私はさようならをして、足早に立ち去った。

静花 (このクラスで1年間、隴さんがいる中で平和な学校生活は送れるのかな…?)

 誰にも気づかれないように、こっそりとため息をついたのでした…。
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