冷たい月 ー双子の幼なじみと消えない夜の傷あとー

ep3 特別

あれから数日。

屋上の鍵が閉まっているからか、架月は自分の席で寝ている時間が増えていた。
寝てたって出席にはなるから、私は少しだけホッとしてた。
だけど今日はまた、二時間目の時点で架月の姿が無い。

嫌な予感がして休み時間に屋上に向かう。
階段をのぼってドアノブに手をかける。
クルッとなめらかに回転して、鍵が開いていることを知らせる。

だけど屋上の鍵は今、志月が持っているはず。
生徒会の顧問の先生とも相談して、学校にいる間は志月が鍵を持っていることになった。
昼休みに彼が開けて、終われば閉める。そして下校の時に職員室に返している。
志月が閉め忘れるなんて考えられないし、ましてや誰かのために開けるなんてこともしないはず。

そっとドアを開ける。
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