冷たい月 ー双子の幼なじみと消えない夜の傷あとー
気まずくて思わず無言になってしまう。
「はぁっ」
志月はあきれたようにため息をつくと、立ち上がって部屋を出る。
そして……
〝ドカッ〟っと隣の部屋のドアを蹴る音が聞こえる。
「架月、うるせーよ。いつもいつも、いい加減にしろよ」
志月はべつにおとなしい真面目少年ってわけでもなくて、背の高い身体でこういう荒っぽい行動もする……んだけど、ドアを蹴るくらいちっとも荒っぽいなんて感じないくらいヤバい男がこの家にいる。
「……いつもいつもってどういうこと!?……」
「……そのまんまだけど?……」
壁の向こうから、今度は痴話喧嘩みたいな声。
これが始まったら……
〝バチンッ〟
やっぱり。ビンタらしき音。
それから……
「……最っ低……」
〝ガチャッ〟ってドアの開く音がして、志月にぶつかりそうになりながら、乱れた服装の女の子が走って出ていく。
私がこの家に来ると、三回に一回くらい見る光景。違うのは女の子の顔くらい。
「はぁっ」
志月はあきれたようにため息をつくと、立ち上がって部屋を出る。
そして……
〝ドカッ〟っと隣の部屋のドアを蹴る音が聞こえる。
「架月、うるせーよ。いつもいつも、いい加減にしろよ」
志月はべつにおとなしい真面目少年ってわけでもなくて、背の高い身体でこういう荒っぽい行動もする……んだけど、ドアを蹴るくらいちっとも荒っぽいなんて感じないくらいヤバい男がこの家にいる。
「……いつもいつもってどういうこと!?……」
「……そのまんまだけど?……」
壁の向こうから、今度は痴話喧嘩みたいな声。
これが始まったら……
〝バチンッ〟
やっぱり。ビンタらしき音。
それから……
「……最っ低……」
〝ガチャッ〟ってドアの開く音がして、志月にぶつかりそうになりながら、乱れた服装の女の子が走って出ていく。
私がこの家に来ると、三回に一回くらい見る光景。違うのは女の子の顔くらい。