冷たい月 ー双子の幼なじみと消えない夜の傷あとー
「付き合ってくれって言ってよかった」

「え?」
「陽波に触れられて、笑顔も独占できるから」
どこか熱っぽいような目で見つめられてドキッとする。
「そんなこと言えちゃうなんて、志月って同い年じゃないみたい……」
耳も頬も熱くなってる。
「いつも言ってるけど、本当に落ち着いてるし大人っぽいよね」
感心しながら言ったら、志月が「フッ」って笑った。
「べつに落ち着いてなんてないよ」
「えー絶対そんなことないよ」
「俺は結構嫉妬深くてガキっぽいんだよ」
志月は眉を下げて、どこか困っているような顔で笑った。その顔さえも大人っぽい。
いつだって静かな空気に包まれている志月が嫉妬するなんて全然想像がつかない。

「嫉妬って、誰に?」
「わからない?」

その言い方で、すぐにピンと来た。
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