冷たい月 ー双子の幼なじみと消えない夜の傷あとー
「なら勝負しようぜ? お前が勝ったらもうここでは遊ばねえけど、俺が勝ったら今まで通り」
架月の予想外の提案に今度は志月がため息。
「そもそもがルール違反なんだから、そんな提案はバカげてる。だけど架月がそれで納得するならそれでいい」
「え!? ちょっと志月……!」
まさかこんな提案に乗るなんて。
志月には申し訳ないけど、結果は目に見えてる。
「お! 一之瀬ブラザーズが対決? いいねー」
まわりの男子が煽り始めて、ギャラリーがそれまでとは比べものにならないくらい大きな黄色い声を上げる。
「1ゴール勝負の1on1三本で、先に二本シュート決めた方が勝ちってことで」
架月がルールを告げる。
「志月! 何考えてるの!? バスケで架月と勝負なんて」
「陽波が応援しててくれたら勝てるよ」
志月は自信があるって顔で笑いかける。
「なんかすごいことになってきたね」
星良の声からはウキウキしているのが伝わってくる。
この空間で、心臓がこんなに不安な音を鳴らしてるのはきっと私だけだ。
バスケ部に所属してなくたって架月は相変わらずバスケが上手い。
志月が勝てるはずない。
そう思っていたのに……
「え……」
架月の予想外の提案に今度は志月がため息。
「そもそもがルール違反なんだから、そんな提案はバカげてる。だけど架月がそれで納得するならそれでいい」
「え!? ちょっと志月……!」
まさかこんな提案に乗るなんて。
志月には申し訳ないけど、結果は目に見えてる。
「お! 一之瀬ブラザーズが対決? いいねー」
まわりの男子が煽り始めて、ギャラリーがそれまでとは比べものにならないくらい大きな黄色い声を上げる。
「1ゴール勝負の1on1三本で、先に二本シュート決めた方が勝ちってことで」
架月がルールを告げる。
「志月! 何考えてるの!? バスケで架月と勝負なんて」
「陽波が応援しててくれたら勝てるよ」
志月は自信があるって顔で笑いかける。
「なんかすごいことになってきたね」
星良の声からはウキウキしているのが伝わってくる。
この空間で、心臓がこんなに不安な音を鳴らしてるのはきっと私だけだ。
バスケ部に所属してなくたって架月は相変わらずバスケが上手い。
志月が勝てるはずない。
そう思っていたのに……
「え……」