冷たい月 ー双子の幼なじみと消えない夜の傷あとー
週が明けた月曜日。

朝、席で星良と話していたら、教室の入り口の方からどよめくような声が聞こえる。
「なんだろう」ってそっちに目を向けたら、心臓が飛び出しそうになった。

だって、髪を切った架月が立ってたから。
制服だっていつもよりきちんと着てる。

「なんだよ架月、イメチェンかよ」
「似合う〜」
興味津々なクラスメイトを無視して、架月は私の隣の席に荷物を置く。
「おはよ」
「お、おはよう」
鼓動が落ち着かない。

「魔王どうしたの!?」
「え、えっと……」
星良の質問に困っていたら、いつの間にか架月の姿が消えていた。

それと同時に、今度は隣のクラスの方からザワザワって声が聞こえてくる。
隣は志月のクラス。架月がそっちに行ったんだってすぐにわかった。

なんだか嫌な予感がして隣のクラスへ向かうと、架月が席に座った志月を見下ろすように立っていた。
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