女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
浩子も、この顔に騙されたんだ。
「いい加減にしたらどうですか?」

強い口調の舞に小泉大樹はまばたきを繰り返す。
「女性社員をとっかえひっかえして、そんなに楽しいですか!?」

舞の声が廊下の上下に響き渡る。

「誰か1人と真剣に付き合うことはできないんですか? あなたに遊ばれて傷ついた人もいるんじゃないんですか!?」

続けざまに怒鳴って肩で呼吸を整える。
本当は浩子の名前を出したかった。

でもそれはできない。
これは自分が勝手にやっていることで、浩子が望んだことじゃないからだ。
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