女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
求愛
女好きの言うことなんて信用できない。
だから昨日の小泉大樹の言葉は気にすることではない。

自分にそう聞かせて出勤した火曜日のこと。
「やぁ、おはよう!」

営業部である小泉大樹が何故か爽やかな笑顔で出迎えてきたので、舞は卒倒しかけてしまった。

「ど、どうしてあなたがここにいるんですか!?」

一瞬自分が部署を間違えてしまったのかと思ったが、隣の席では困り顔の浩子がこちらを見ている。

ここは間違いなく、舞が所属している経理部だ。

それにしても浩子が近くにいるというのにこの男はなにも思わないんだろうか。

「どいてください」
舞は小泉大樹の体を押しのけて自分の席にドカッと腰掛けた。
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