女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる

そもそも、どうしてこの人が自分のデスクの場所まで知っているのかと思うとおぞましくて鳥肌が立つ。

「佐藤舞さん。俺の彼女になってよ」

白い歯をのぞかせてニッコリ微笑む小泉大樹に、舞はしかめっ面をお返しした。

「嫌です」
というか昨日の告白は本気だったということか。

そのほうが驚きだと、瞬きを繰り返す。
「どうして！？　もしかして他に好きな人がいるとか？」

「いません。仕事の邪魔なので自分の部署におかえりください」

冷たくあしらってパソコンの電源をつけると、小泉大樹はようやく諦めた様子で肩を落として部屋を出ていったのだった。

「舞、一体どうしたの？　彼となにかあった？」