女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
もちろん、舞の答えはノーだった。

浮気者は大嫌いだし、告白を受けたときだって何人もの女性社員が屋上で大樹が戻ってくるのを待っていた。

どんなにかっこよくたって、そんな男と付き合うなんて考えられなかった。
小泉大樹から告白されたとき、舞は咄嗟に反応できずその場で硬直してしまった。

その後すぐに意識を取り戻したから『付き合うことはできません』と言い放ち、1人で逃げてしまったのだ。

後から屋上にお弁当箱をぶちまけたままだと思い出したけれど、取りに行く気力もなかった。

ちなにみ、そのお弁当箱は翌日上司の中村の元へ届けられていた。
誰が届けてくれたのかについては、あえて質問しなかった。

『ねぇ、頼むから連絡先だけでも教えてくれないかな』
火曜日から小泉大樹のそんなアプローチが始まった。
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