女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
中にあるのは地味な系統の服ばかりだ。
会社へ着ていくためのタイトなスカートやブラウスが多い。

私服で購入しているのもおとなしめの色合いのカーディガンやロングスカートばかり。

大学時代に彼氏と別れて以降浮いた話がひとつもないのだからこんなものだとわかっていたけれど、いざこうなるとため息が出てしまう。

「どうしよう。何を着ていけばいいの?」
と、つぶやいてから、ブンブン左右に首を振った。

買い物に行くだけなんだからどんな服だって関係ないじゃない!
舞は勢いにまかせて目の前にあったジーンズを手に取ったのだった。
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