女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
それが騙されていたとはどういうことかと、舞は身を乗り出して質問した。
「遊びだったの。私のことなんてただの遊びだったの!」

説明しながら、また両目からボロボロと涙をこぼす浩子。
普段は念入りにほどこされているメークが、もうボロボロだ。

「それ本当に? 相手は会社の人だって言ってたよね? 誰か教えてくれる?」
「それは……」

しばらくモゴモゴと口ごもったあとで「教えられない」と、首を振る。
「相手に遠慮してるの? そんなの気にしなくていいのに!」

舞としては浩子をここまで傷つけた人間をさっさと特定して、詰め寄りたい。
浩子にちゃんと謝罪させたいという気持ちが大きかった。

だけど浩子は頑なに口をわろうとしない。
そこまで相手に遠慮するなんて、どうしてだろう。

「……もしかして相手は小泉大樹なんじゃない?」
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