女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
さすがにデートなれしているのか、小泉大樹が連れてきた場所は小洒落た喫茶店だった。
「こういう雰囲気の場所って最近少なくなってますよね。よくこういう場所を知ってますね」

喫茶店の落ち着いた雰囲気につい心を許してしまいそうになる。
「ここ、俺の親父とお袋がよくデートで使ってた場所なんだ」

ということは、喫茶店にしては老舗なのかもしれない。
どうりて店内もいい雰囲気で、何時間でもここにいれそうな気分になってくる。

「それにしても、どうして敬語?」
「一応、先輩なので」

距離を置くためだとは言わずに背筋を伸ばして答えた。
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